怒り

2001年10月29日
 昨日、とても怒りを覚えました。

 家族内の言い争いだったんだけど、妙にイライラした。声のトーン、高ぶる感情、突き刺さるように飛んでくる怒りのエネルギー。

 それに同化しまいと、布団でうーん、と寝ているが、だんだん同化してしまう。

 自分にとどまることができない。巨大なエゴの渦の中に、自分が飲み込まれている。むしろ、自分のエゴが過敏に反応し、攻撃が始まる。

 「うるさいぞ」「いつまでやってんだ」「一生やってろ」・・・。

 仮にも家族である。しかし、容赦なく攻撃する声が自分の中に渦巻く。

 気づくと、台所へ行き、言い合っている家族を横目に一杯の水を飲み、無言で立ち去る。

 階段を上る最中、壁を数回蹴飛ばす。自室のドアを出来うる限りの制限を加え、力いっぱい閉める。

 そのとき、ふと頭の中に、村上龍の「最後の家族」の光景が浮かんできた。引きこもりの秀樹の自室での苦悩、両親・家族への声にならない攻撃、とりとめもない自分との格闘・・・。

 別に引きこもっているわけではないが、精神的な状態は、きっと似ているものは合ったのではないだろうか。人間には、時として怒りに振り回され、冷静さを欠くことがあるのだ。

 病気ではない、診断もできない、そんな人間の感情、心理の複雑さ。しかし知らねばならない。

 「こんなことを経験するために生まれてきたんじゃない!」と必死に叫ぶ自分。そんなたいした言い争いではない。本当に些細なことだったし、今日は普通に暮らしている。一般的にもまともな家族だ。

 しかし、自分の中に、本当に触れたくないもの、
人の醜さ、怒り、欺き、嘘、争い、そういうものを拒否しつづけてきた自分の人生を思い知らされる。

 向き合わねばならないのか、自分にもあるということを、ひとつであるということを。

 何を恐れているのか・・・。答えはもう出ている。

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